「うちは半壊と言われたけど、何かもらえるお金はあるんだろうか」「直した方がいいのか、建て替えた方がいいのか」——熊本地震で家に被害を受けられた方から、こうしたご相談をよくいただきます。国から出るお金の制度があるのですが、少し分かりにくいところもあります。この記事では、難しい言葉を使わずに、ひとつずつ順番にご説明します。
もらえるお金は、どうやって決まるの?
今回のお金の制度は、簡単に言うと、次の2つを組み合わせて金額が決まります。
「家がどのくらい壊れたか」 + 「これからその家をどうするか」
支援金の仕組みと、被害の区分ごとの支給額を一枚にまとめました。2人以上の世帯だけでなく、お一人暮らしの世帯の金額もあわせて確認できます。
「支援金は300万円」という言葉だけが広まっていますが、これは条件がそろった一部の方の金額です。家がどのくらい壊れたか、そのあと直すのか・建て替えるのか・住まいを借りるのかによって、金額は変わります。まずはご自分がどの区分にあてはまるかを確認することが大切です。
「半壊」と言われた方も、あきらめないでください
上の図にもあるとおり、ふつうの「半壊」というだけでは、このお金の対象には、原則入りません。ですが、修理するにはお金がかかりすぎたり、このまま住むのは危ないので壊すしかなかったりした場合は、「解体世帯」として「全壊」と同じあつかいになります。
ですから、「半壊だから、うちには関係ない」と思い込まないでください。家を解体すると決める前に、一度、市町村の窓口に確認することが大切です。
申請はどこで、何をすればいいの?
申請するのは、被災したときに住んでいた市町村の窓口です。
そのときに、まず必要になるのが「り災証明書(りさいしょうめいしょ)」というものです。
かんたんに言うと、市町村の職員さんが実際にお宅を見に来て、「このお家は、これくらいの被害でしたよ」と紙に書いて証明してくれるものです。いわば、お家の「けがの診断書」のようなものだと考えてください。この診断書の内容(全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊)によって、もらえるお金が変わってきます。
まだ申請されていない方は、まず市町村の窓口に「り災証明書がほしい」と伝えることから始めてください。
用意するもの
難しく考える必要はありません。基本的には、次のものを用意します。
- り災証明書(市町村がくれる、被害の証明書)
- 住民票
- お金を振り込んでもらう通帳など
- 支援金の申請書(窓口でもらえます)
これに加えて、家を建てる・買う・修理する・借りる、といったことが決まった場合には、その内容が分かる契約書のコピーも必要になります。
まだ「直すか、建て替えるか」決まっていなくても大丈夫です
ここも、ぜひお伝えしたいところです。
このお金は、次の2段階に分かれています。
① 先にもらえる分
- 家の被害の程度が分かれば、すぐに申請できます
② あとからもらえる分
- 「直すか、建て替えるか」が決まってから申請します
つまり、全部が決まってから、まとめて一度に申請しないといけない、というわけではありません。まずは①の分を先に申請しておいて、そのあとゆっくり、「この家は直せるのか」「修理にはいくらかかるのか」「建て替えた方がいいのか」を考えてから、②の分を申請することもできます。焦って結論を出す必要はありません。
気をつけていただきたいこと
震災のあとは、「申請を代わりにやってあげます」「無料で点検します」といって近づいてくる、あやしい業者が増えることがあります。その場でサインや支払いを求められたら、一度立ち止まって、市町村の窓口や、信頼できる専門家に確認してください。
今回ご紹介したお金の制度は、順番に整理すれば、決して難しいものではありません。まずは「り災証明書」を取ること、そして焦らず一つずつ確認していくことが、いちばんの近道です。分からないことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。